お腹ぽっこりの女性は、認知症にご注意を
50歳以上の女性でお腹に脂肪が多めについていると、認知症になるリスクが39%も高くなるという研究結果が発表されました。
認知症は、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく神経変性疾患の代表で、そうした疾患に対する有効性の高い治療法は現時点ではありません。
そのため、新治療の開発と並行して、予防対策に関する研究も精力的に進められています。
腹囲が平均値を上回る人は10~20年後に認知症にかかるリスクがそうでない人と比べて高い、というもの。疫学関連の科学雑誌に掲載されました。
女性の場合は39%増と、特に著しいリスクの上昇がみられたそうです。
肥満と認知症との関係を検証するため、研究者らはイギリスの50歳以上の6582人を対象に調査が行われました。
それぞれの対象者の体格指数(BMI)と胴回りの数値、認知症の診断記録を15年間にわたって追跡したところ、女性の場合、腹囲が平均以上だと15年以内に認知症になるリスクがそうでない人と比較して39%高くなったというもの。
ちなみに、男女合わせたリスクの増加率は28%でした。
ニューヨーク・プレスビテリアン病院のアルツハイマー予防クリニックを統括するリチャード・イザクソン博士によると
「おなかのサイズが大きくなると、脳の記憶中枢が小さくなることが過去の研究で示されている」
「今回の新たな研究は従来の結果を裏付けるものであり、胴囲の拡大と認知症リスクの上昇を関連付けたという点で重要。とりわけ女性にその傾向が強い」
とコメントされています。
肥満の健康リスクの一つとして、認知症が加えられるかもしれません。運動そのものが脳や体に良いというだけでなく、肥満そのものを避けるために健康に動ける体を維持することが大切だと思います。
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