1日1万歩はどこまで健康に良いのか
1日1万歩。万歩計という言葉があるほど有名な数字ですが、はたして本当に健康に良いのかどうか。参考になる研究結果をご紹介します。
結論は、1日1万2,000歩が健康に良いです。
アメリカの国立衛生研究所(NIH)が日々の歩数が多いほど、死亡リスクが低くなることがわかったと発表しました。研究は米国立がん研究所(NCI)と米国立老化研究所(NIA)、および米疾病管理予防センター(CDC)のグループによるものです。
今回、研究グループは、アメリカの一般的な成人における1日の歩数および歩行強度と死亡率との関連を解析しました。
調査では、対象者に7日間計測機を着用してもらい、1日の歩数、歩行のスピード(3つの区分で評価)のデータを収集。
研究グループはそのデータの中から、2003~2006年当時40歳以上だった4,840人について、2015年12月まで追跡し、死亡率との関連を調べました。
対象者の平均年齢は56.8歳、平均歩数は9,124歩/日で、追跡約10年間で1,165人が死亡。
「歩数の多さ」で区分して総死亡率を分析した結果、1日4,000歩の群と比較した結果、
1日8,000歩の群は、51%死亡リスクが低い
1日1万2,000歩の群で、65%死亡リスクが低い
ということがわかりました。
年齢や性別、人種に関わらず、"歩数"の多さと死亡率の低下に関連性がある。
一方、「歩行の速さ(強度)」と死亡リスクとの関連を調べたが、有意な関連は見られなかったそうです。
くわえて、循環器疾患とがんによる死亡率も、歩数が多いほど低くなっていることも判明。
観察研究ですから、因果関係の断定には至っていませんが、運動が健康維持において重要であることは揺るがないでしょう。
ゆっくりでも、たくさん歩くを意識してみてください。
そして、痛めずにたくさん歩ける体に整えてください。
※研究成果は「Journal of the American Medical Association」に掲載されています。
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